「瀬織津姫まつり」誕生のストーリー
岩手各地に住む女性たちが、それぞれ不思議な流れで瀬織津姫(早池峯神社)と出会い、やがてまつりが開催されるまでのストーリー。
まるで昔話の世界がそのまま息づいているような岩手大迫(おおはさま)町の山奥にひっそりとある早池峯神社、瀬織津姫がそれぞれ各地の女性たちを呼び寄せたストーリーです。
始まりは「早池峰縁日」
はじまりは小国文子の内なる声から…。
20歳で同じ大迫町内から早池峯神社のある岳集落に嫁いできた文子、夫は早池峰岳神楽保存会会長。
この40年以上に渡り、この地を見守り続けてきた彼女が、ここ早池峰の地で人々に集まってもらい、何かイベントをやらなきゃいけない思いを募らせ、神社で2016年に行われたのがまつりの始まりにあたる「早池峰縁日」。
次々と集まる女性たち
嘉藤那美の場合
その頃、盛岡在住の嘉藤那美は…。
ある日、夢の中にどこか神社の境内だと思われる場所が出てくる。
「ここは一体どこだろう?」あまりにも鮮明なその光景が気になり、知人に相談してみると「夢の場所は大迫にある早池峯神社で、そこにいる姫大神があなたのことを呼んでいるから行ってきなさい。」と言われ、2012年11月に初めて神社を訪れ、夢の中の光景そっくりなのに驚きつつ、以来ことある事に盛岡から往復2時間かけて神社に通うようになる。
神社との出会い後、絵を描き始めた彼女。
まつりのチラシの絵は、毎年彼女の作品を起用しています。
アマラ京子の場合
東京のアマラ京子が夫婦で移住してくる…。
2016年、東北震災 追悼イベントで初めて岩手を訪れた彼女は、岩手の自然と息づく神々のエネルギーに惚れ込み、誰一人として知り合いもいなかったこの地に直感的に移住を決める。
移住先は、早池峯神社からほど近い築110年の古民家。
そこは小国文子の夫である小国朋身の祖父の生家であり、その祖父というのは、岳神楽のかつて太鼓の名手であった伊藤巳太郎であった。
そして「瀬織津姫という女神を祀ってきた早池峯神社は、女神様が御祭神なのにも関わらず、神楽衆(男性たち)しか舞ってこなかった。
この神社は、この先、全国から多くの女性たちが舞いを奉納する必要があるだろう、そのことでさらに女性的なエネルギーに満たされるだろう」というビジョンを受け取る。
米澤里美の場合
石鳥谷在住の米澤里美が水の女神からメッセージを受ける…。
「あなたは瀬織津姫とどうやら関係があるようだから、早池峯神社に行ってきなさい。」と先祖供養をする方に言われるも、なぜか怖くてなかなか行けないままに1年が過ぎ、2017年の3月、雪の積もる神社に恐る恐る初めて一人で訪れ、足の震えが止まらないまま参拝をした。
その日の夜、横になると身体から大地へ根っこがどこまでも生えるような不思議な体験をする。
さらに1年後の2018年4月、突如パニック発作を発症、ある夜、水の女神(瀬織津姫)からのメッセージを受け取る。ハッと我に返り、日に日にパニック障害からもリハビリのように石鳥谷の家から神社に通い出す。
(※その時の彼女がとっさにメモしたメッセージ文は最後に載せています。)
第一回「瀬織津姫まつり」
そして、2018年7月第一回「瀬織津姫まつり」が開催される…。
2016年に「早池峰縁日」を開催した岳集落の小国文子は、その後も岳に人が集まってくるイメージを持ち続け、2018年5月、早池峯神社のすぐ隣に「お山カフェ アスチルベ」をオープンさせる。
その7月にはカフェアスチルベにて第一回目となる「瀬織津姫まつり」が開催され、そこからほぼ毎年のように祭りは開催されていくこととなる。
出会いはさらに続く
瀬織津姫の引き合わせによる出会いはさらに続く…。
奥州市在住の菊地まい子は…。
2018年のまつりがあった数日後、東和町にあるパン屋を目指して車を走らせていた彼女は、何度も何度もナビの誤作動が続き、どうやってもパン屋には辿り着けずに途方に暮れていると、一緒にいた友人が「ここまで来たら、早池峯神社まで行ってみようよ」と提案してくれ、彼女にとっては初めて神社訪問。
神社で手を合わせお参りしていたら、
「やっときたか…」と言われた気がし、その話を友人にすると「(まい子を)よく連れてきてくれたね。」とその友人は神さまから言われたとのこと。
その日、カフェ アスチルベで文子、里美と初めて出会い、そこからは毎月のように早池峯神社に通うようになる。
その後も次々と
2023年、群馬から川原亜由美がお嫁にやってくる…。
静御前を敬愛し日本中にある静御前の歴史を辿り旅をしていたフラメンコダンサーの彼女が、最後行き着いたのが、岩手県の鈴ヶ神社。
ご縁あって2020年、鈴ヶ神社に奉納の舞いを納め、その2年後、鈴ヶ神社の別当の親族である現在の夫と出会い、結婚を機に岩手に移住してくる。
※ときは1189年の頃、静御前は京都から大迫を通り早池峰山を越えて旧川井村鈴久名に辿り着き、源義経と再会した。北行する義経に追いつく約束をして静養するも、身籠った子とともに亡くなる。岩手県宮古市にある鈴ヶ神社は、静御前を祀る神社である。
2023年、東京から空音シンが夫婦で移住してくる…。
かねてから東京を脱出したいと、移住先を探し始めていた彼が、初めての東北、初めての岩手県に縁あって訪れ、早池峰に魅了され「この地で暮らそう」と一気に心が決まる。
それから先は、追い風が吹くように順調にことが進み、3年経たずに住み始める。
今日のまつりとなる
こうして、今の瀬織津姫まつり実行委員メンバーがそれぞれ岩手早池峰に集結した。
ここに記したのは、まつり実行委員のうち7名だけのストーリーだが、実際にはいくつもの数えきれない人々と瀬織津姫とのストーリーがあって、今日のまつりがある。
メッセージ
米澤里美が受け取った水の女神(瀬織津姫)のメッセージ
「目覚めよ我が友よ
これから創造していく、この世界
北の地で、私は女神の目覚めを行う
多くの仲間が目覚めるその時
私たちは多くの愛をこの地に呼び込むだろう
目覚める時がきた
友よ、目覚めよ
祓いたまえ、清めたまえ
今こそ、私たちは魂の命である
答えよ、内なる魂の輝きを
愛に目覚め
愛に生きろ
これから大変革が起こる
意識を内側に
神、心、身
きらめく、輝く
宇宙の時よ、やっとこの時がきた
水をたくさん飲みなさい
あなたは神の命
穢れを祓い、清流に流す
祓いたまえ 清めたまえ
我らが今、目覚める時」
(2018年5月)